人気ブログランキング |

many north, and south.

<   2015年 11月 ( 4 )   > この月の画像一覧

セイケトミオさんのこと 4

a0338823_20322143.gif


イベントに参加する前に、決めていたことがふたつありました。
一つは、最前列の席に座ること。
もう一つは、チャンスがあれば、セイケさんにいちばん聞いてみたいことを、ためらわずに聞くこと。

「今回はなぜベニスだったのか? そもそも、普段からどんな基準で被写体を選んでいるのか?」
最後の質疑の時間、これは他の方から出た質問ですが、私も聞いてみたかったことです。

セイケさんの答えは、こんな感じでした。

「意外と準備しているわけではない。撮りたい気持ちは、突然わきあがる。
計画的にやるタイプではなく、気が向くとぱっとやるタイプ。だから撮るものにあまり統一がとれていない。
自分の中で整理し切れていない。

大事なのは、自分が撮りたいと思うものを撮ること。
なぜ(それを選ぶのか)といわれても難しい。直感とはちがう。

人は、ずっと同じものに惹かれる訳ではなく、変わっていくものだと思う。
結局、写っているのは自分自身なんじゃないか。流行りの自撮り棒なんて使わなくても(笑)
自分を撮っているというところから抜けられない」

この「写真には自分が写る」というお話、セイケさんは、ご自身のブログや、こちらでも触れていらっしゃいます。

実はギャラリートークが始まる前、セイケさんのお人柄に接する機会がありました。
1階で写真集を買い求めたとき、ちょうどその場にみえられたセイケさん。
Leicaのスタッフさんを通じてサインをお願いすると、「もう書いてあるんだけど、どうしましょう。お名前をお入れしましょうか」と言ってくださいました。
その素敵な笑顔と、驚くほど力強い握手。ほんのひと時でしたが、忘れ難い出来事となりました。

Leica M9 / CZ C Sonnar 50mm f1.5 ZM

by mynas | 2015-11-29 20:51 | Leica

セイケトミオさんのこと 3

a0338823_21532051.gif


定刻にギャラリートークはスタートしました。
X2、M8、MMなど、セイケさんがデジタル・ライカで撮られた作品を、ボディごとにまとめてご自身で解説されるスタイルでした。

過去ブログにアップされたものが中心で、それぞれの作品に対するクエスチョンがすでに自分の中にありました。
たっぷり予習をして臨んだ授業のような、楽しくて濃密な時間となりました。

質疑応答を含めて長さはおよそ1時間40分、大学の一講義分くらいですが、これほど集中して「先生」の話を聞いた記憶はありません(苦笑)

「人と背景の位置関係といった構図だけではなく、影の分量というか、白と黒のMAXの部分とグレーの部分を意識しました。それは何色の服の人が通るかによっても変わります。トーンのバランスがモノクロの場合はとても大事です」

ある作品について解説されている時、この「トーンのバランス」という言葉を、セイケさんは繰り返し使われました。

私にとってセイケさんの作品とは、何よりもまず静けさをたたえる闇と柔らかな光、そして、それらを際立たせるグレーのトーンです。
私には、そのヒントとなるお話のように思えました。

Canon EOS 5D Mark II / EF24-70mm F2.8L II USM

by mynas | 2015-11-22 20:45 | Canon

セイケトミオさんのこと 2

a0338823_21470477.gif


Leicaのある祇園は、お昼時ということもあってか、観光客でごった返していました。
開演より40分早く店に着きましたが、すでに店内には私と同じ目的と思しき人がちらほら。
ショーケースをのぞいていても今ひとつ落ち着かない中、片隅に置かれた2冊の本に目がとまりました。

黄色とうぐいす色のカバー、どちらも題字と著者名だけが書かれたシンプルなデザイン。
代表作「ZOE」と「waterscapes」、新品でも古本でも、とにかく入手困難なセイケさんの写真集!

好きな作家の写真集を繰り返し見るというのが、私のいちばんの勉強法です。うれしい収穫でした。

20代後半に写真をはじめてからしばらくは、雲をつかむような感じで、何を撮っても腑に落ちませんでした。

変わったのは、交際していた当時の妻を撮るようになってからです。
技術的なことはともかく、撮りたくて撮った写真には何かしら宿るものがあると、出来上がった写真を見て素直にそう思いました。

それからは写真集もぽつぽつ買い求めるようになりました。
妻を撮ったことで、写真についてもっと学びたいと思うようになったのかもしれません。

SIGMA DP2

by mynas | 2015-11-15 22:00 | SIGMA

セイケトミオさんのこと 1

a0338823_18132857.gif


10月17日土曜日、京都の街は、歩くと汗ばむほどの陽気でした。
すでに目にも秋色が濃い信州とはちがって、時折吹く風と柔らかな光で感じる季節。

今回の京都行きを決めたのは、前々日の木曜日です。
セイケトミオさんの展覧会、「Monochrome in Dark」のギャラリートークがあると知ったのが、その木曜日。
展覧会自体はチェックしていましたが、イベントに関してはLeicaのサイトくらいにしか情報が無く、ノーマークでした。
慌ててLeica京都に電話すると、まだ空席が。
東京ならありえなかったかもと思いつつ、どきどきしながらスケジュール調整。
妻にも「行ってきなよ」と背中を押してもらって、金曜日の午後のバスで京都へやって来ました。

セイケさんとの出会いは、まだ月刊だったCamera Magazine誌上でのこと。
他のカメラ雑誌とはちがう雰囲気に惹かれて購入し、その中でセイケさんの作品を見たのが最初だったと思います。

Leica M3 / Summicron 50mm f2.0(1st) Tri X

by mynas | 2015-11-08 10:51 | Leica